カテゴリ… 自己破産

 「破産管財人」が選任され、その「破産管財人」が債権者に配当を行う手続きを、「管財事件」と言います。通常の《破産手続》は、「管財事件」です。

 「管財事件」は、「同時廃止」に比べて期間が長く、費用もかかります。

 法人、または個人事業者が「破産」の申立てをする場合(つまり個人のサラ金クレジット自己破産でない場合)には、原則として「管財事件」となり、「同時廃止」になることは例外です。

 「管財事件」では、「財産」が処分されます。『自己破産』は、「管財事件」です。

 したがって、『自己破産』すると…一定の「財産」を、失うことになります。換価するほどの「財産」がない場合は「同時廃止」となり、「財産」を失わずに済みます。

 昔の「破産法」では、「破産手続開始決定」(破産宣告)から「免責許可の決定」を受けるまでの数ヶ月間に、一定の給料が差し押さえられる可能性もありました。しかし、現在の「破産法」では、強制執行は禁止となりました。「破産手続開始決定」が下りると、それ以降に給料を差し押さえることは、一切できなくなったのです。

 また、生活保護や年金・失業保険は、「差押え」が禁止されています。『自己破産』したからといって、将来的に年金の支給額が減額されることもありません。

 「同時廃止」はおよそ3~6ヶ月ですべて終了ですが、「管財事件」の場合は、半年~1年以上かかることもあります。「同時廃止」では、「破産管財人」にかかる費用や手間を省くことができるため、迅速な手続きが可能になります。

 「管財事件」では、「免責許可の決定」を受けるまでの間は、引越しや長期の旅行をするためには「裁判所」の許可が必要です。しかし、「同時廃止」の場合は、引越しも海外旅行も自由にできます。

 「同時廃止」とは、様々な面で「破産申立人」の負担を軽くする制度ですね‥。

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