「自由財産」は、債務者が『自己破産』をしても、債権者に配当されずに所持することができます。債務者が、《自由に》管理し処分できる「財産」なのです。
「自由財産」としてまず挙げられるのは、《99万円以下の現金》です。《99万円》という金額は、〈平均的な家計の3ヶ月分〉に相当します。
次に、《残高20万円以下の預貯金》が挙げられます。しかし、『自己破産』の申立て直前の現金化によって《残高20万円以下》にした場合は、「自由財産」と認められないこともあるようです。
債務者が、「破産手続開始決定」の後で取得した「財産」…給料なども「自由財産」になります。
《破産手続》の開始時に、債務者が保有していた「財産」であっても…「破産手続開始決定」の後に、債務者の申立てや《裁判官の職権》によって、「自由財産」の範囲が拡張される場合があります。「破産」した債務者の生活状況や、その「財産」の職種による必要性が考慮されるのです。
ただし、《裁判官の職権》とは、あくまでも《「裁判所」(裁判官)の判断》ということです。したがって、「自由財産」の範囲の拡張について、明確な基準があるわけではありません。
債権者が差し押さえることができない《差押禁止動産》も、「自由財産」です。
テレビ/パソコン/冷蔵庫/エアコン/掃除機/洗濯機/電子レンジ/湯沸かし器/鏡台などが複数ある場合、1点のみが《差押禁止動産》の対象になります。タンス/ベッド/食器棚/食器具/調理器具/生活上必要な衣類などは、すべて《差押禁止動産》です。
その他、差押さえの対象外となるもの
- 実印/仏像/位牌/礼拝・職業に欠かせないもの/身体補助具(義手・義足)など
- 民事執行法所定の差押禁止債権
- 支給見込額が20万円を超える退職金の3/4~7/8…取扱いは「裁判所」によって異なる
- 賃貸敷金債権
- 電話加入権
- 見込額が20万円以下の生命保険解約返戻金
- 破産管財人が放棄した財産