「破産」という言葉を聞くと、思わず悪いイメージを抱く人が多いのではないでしょうか。戸籍や住民票に《破産》の烙印(?)を押されて子供の就職や結婚に影響したり、生活必需品に至るまで差し押さえられ 、職場は解雇されて選挙権も無くなり…など、妄想が尽きなかったりして‥。
しかし、これらは憶測であって、事実ではないのです。
『自己破産』したからといって、戸籍や住民票に記載されることはありません。換価できる資産価値の高い「財産」は強制的に処分されますが、家財道具等の必要最低限の生活必需品は、手元に残しておけます。
選挙権を失うこともありません。
職業については…『自己破産』の手続きをしても、「裁判所」から勤務先に連絡が行くことはありません。勤務先から借金をしている場合は、当然、知られることになりますが‥。
仮に、勤務先に知られたとしても、それを理由に解雇されることはありません。
「破産手続開始決定」が下りると、一部の職業(弁護士/公認会計士/税理士/証券会社外務員/生命保険募集員等)には就くことができなくなるという、職業上の「資格制限」があります。
しかし、「免責許可の決定」が確定すれば、その制限もなくなります。このことを、「復権」といいます。
ただし、一度「免責許可の決定」を受けると…その後7年間は、再び『自己破産』することはできません。「免責不許可事由」に該当するため、申立てをしても、「免責許可の決定」は受けられないのです。
『自己破産』に対する誤解は、今も昔も多々あります。しかし、『自己破産』に対する正しい知識が浸透するにしたがって、多くの多重債務者が『自己破産』の制度を利用するようになっています。近年、自己破産者数は、増加傾向にあるようです。