『消費者金融』などの《貸金業者》は、「貸金業規制法」によって、金融庁に監督されています。そして、その「貸金業規制法」で…〈「利息制限法」の制限利息を超える「グレーゾーン金利」であっても、一定の要件を満たせば有効である〉‥と、規定されています。
《一定の要件》を満たせば、《高金利》での借金返済も有効とされるわけです。これを、「利息」の「みなし弁済」といいます。
「みなし弁済」が有効とされる要件
- 債権者が《貸金業者》の登録を受けている
- 債務者が、元本ではなく「利息」であることを認識した上で支払っている
- 債務者が、「利息」を《任意に》支払っている
- 債権者が貸付時に、法定(貸金業規制法)の「契約書面」を交付している
- 債権者が返済金を受領の際、法定(貸金業規制法)の「受取証書(領収証)」を交付している
《高金利》の「利息」について、「みなし弁済」が認められるならば…債権者が「利息制限法」に違反していることを指摘するのは、困難であると思われます。
しかし、上記の《一定の要件》を全て満たしていなければ、「みなし弁済」とは認められません。《貸金業者》がこれらの要件を全て満たすことは、厳しいと考えられます。
まず、元本と「利息」の額が曖昧な場合は認められません。債権者は、〈債務者が金銭消費貸借の利息契約に基づいて支払をしていること〉を、証明する必要があります。
また、債務者が「利息制限法」を超える「利息」を《任意に》支払っている‥という、根拠も必要です。ATMで返済した場合の「利息」は、《任意に》とは認められません。
「貸金業規制法」に定められた「契約書面」と「受取証書」を交付している債権者は、実質的には存在しないようです。銀行振込による返済は、「受取証書」の授受が無いため、「みなし弁済」ではありません。
つまり、「利息制限法」の違反が法廷に持ち込まれた場合…債権者が「みなし弁済」を主張することは、実際には困難なのです。