『個人再生』は、通常の「民事再生」の手続きを簡素化した手続きです。通常の「民事再生」の手続きは、個人が利用する場合には、煩雑で難しい面があります。
2000(平成12)年に「民事再生法」が改正され、個人が「民事再生」の手続きを行う場合も利用しやすい制度になりました。そして、《個人版民事再生》が、『個人再生』と呼ばれているのです。
通常の「民事再生手続」で「再生計画」が認可されるためには、多数の債権者が同意する必要があります。しかし、個人の「民事再生手続」では…〈多数の債権者が反対しない〉という、《消極的同意》で足りるのです。
『個人再生』は、債権者の同意の有無により、手続きの方法が異なっています。債権者の《消極的同意》が必要な「小規模個人再生手続」と、同意が不要な「給与所得者等個人再生手続」の、2種類があります。
そして、どちらの手続きを利用するかによって、「再生計画」で認可される「返済額」が異なっています。
『個人再生』の手続きは、利用するための条件として、一定の制限があります。「住宅ローン」を除く負債総額が、5,000万円を超えない場合に限定されているのです。
この条件に該当すれば、「小規模個人再生」の利用ができます。さらに、この条件に該当する人の中で…サラリーマンなど、将来において継続的に収入を得ることが確実かつその見込みを簡単に把握することが可能な場合は、「給与所得者等再生」も利用できます。
『個人再生』は、《話し合い》による解決が難しい場合であっても《債務整理》が可能です。しかし、『任意整理』や『特定調停』のように、一部の借金のみを整理することができません。
『個人再生』の手続きでは、申立人である債務者の、全ての債務や資産状況を調査することになります。したがって、手続きが相対的に複雑となり、解決までには費用と時間がかかります。
『個人再生』の申立てを行う際は、「弁護士」や「司法書士」などの《専門家》と、よく相談する必要があるでしょう。